2015年06月07日
《軍隊化する都市社会》
この世で最も効率的で強力な組織とはどのようなものだろうか?
それは、間違いなく軍隊であろう。
多くの企業も成長と生き残りのために、軍隊の組織と運営方法を真似ている。
(企業の入社式)

企業と軍隊組織の特徴と共通点:
・ 階級がある
・ 上意下達
・ 機能別集団
・構成員は、心身ともに壮健であること
・老人が少ない
・女性が少ない
・子供がいない
・身障者が少ない
・内部規律
・攻撃性
・利益(付加価値)を生まないものの徹底的な排除
最近は、地域社会まで企業化、軍隊化しようとしている。
高齢者問題で、日本創生会議が、東京などの人口集中地域の老人を2025年までに、
地方に移せと提言したのである。

そうすれば、地方の若者に雇用の機会が増えるという。
これは、東京周辺地域の都市機能、国際競争力を維持するために、
住民に定年制を設けるようなものだ。

老人になって、コストを自ら賄えなくなったら、東京から出てくださいという発想である。
実は、東京には子供も要らない。
東京などの大都市と企業に必要な住民は、心身ともに壮健な青年と壮年であり、
かつ付加価値を生み出せる人のみである。
現在、東京近辺に居住する高齢者と呼ばれる人は、多くが田舎の農家出身者である。
1950年頃の全国の農業、漁業従事者は、全就業者数の半分に及んでいた。
この人たちの多くが、戦後、日本の高度成長期に、都会に出てきた人々である。

彼らには、まだ、出身地として馴染みのある田舎があり、地方との繋がりがあった。
実際に、一部は、定年後、自分の出身地に戻った人々もいる。
しかし、2025年以降に高齢者となる人々は、都市部生まれである。
地方との繋がりをもっていないのに、地方へ行けという。
地方は、その老人達を、ありがたく受け入れろという。
これが、日本で有識者と呼ばれる方々の提言である。
結局のところ、これから日本が直面する種々の問題に対して、良策がないのである。
参考:http://terra1insight.dosugoi.net/d2015-05-18.html

我々は、地震や津波などの自然災害への備えに加えて、人口問題、高齢化問題、
少子化問題などの人為的困難にも対処しなければならないのである。
更に、国際情勢に関しても、冷静かつ的確に手を打たなければならない。
まさに、内憂外患である。
危機を煽るだけの扇動者ではなく、相手の非をあげつらうだけの夢想家でもなく、
本物の智慧ある指導者が求められる時代になってきた。