2015年05月29日
《ゆでガエル現象》
『ゆでガエル現象』という言葉を聞いた。
“カエルは、熱湯に入れると直ぐに逃げ出し生き残ることができるが、ゆっくりと水温が上昇する水に入れると、沸騰するまで気付かずに死んでしまう”
人間の場合でも、ある程度の環境適応能力をもっているために、最終的に致命的となる環境の変化であっても、それがゆっくりと進む場合は、何ら対策をとらない傾向がある。
会社の業績がジリ貧であり、債務が累積してきているのに、毎月の営業成績に一喜一憂している経営者と従業員なども、『ゆでガエル現象』の例であろう。
実際にカエルで実験を行うと、カエルは、ある程度温度が上がってくれば、ちゃんと熱水から逃げ出すというから、“ゆでガエル”は、あくまで例え話である。
本当のカエルは賢いのである。
ここに一つ、本当の(?!)“ゆでガエル現象”がある。
海水温の上昇のことだ。
地球の海水量は、全水量の97%を占めている。
総量は、約14億立方キロメートルだそうだ。
(因みに、飲料水や産業用水として利用可能な淡水は、地球の総水量の僅かに0.5%以下である)
従って、海水全体の『熱容量(熱を吸収する能力と思って良い)』は膨大である。
地表の熱エネルギーは、大半が広大な海水域によって吸収されている。
仮に海水温に微細な変化が起きても、最終的にどのような影響が起きるのかは、人間の知能と科学技術力では、なかなか認識されない。
限られた範囲の測定結果ではあるが、海水温測定の中で、興味深いデータがある。
水深3000メートルまでの平均海水温は、この50年間で0.04℃上昇している (諸説あり)。
一見、無視できるような上昇であるが、この熱量をすべて大気圏のみで吸収すると40℃の上昇分に相当するという。
気温60℃以上である。
人間は住めない。
最近、海洋生物の普段見られない行動が頻繁に話題になる。
この1年ほどでも、いろいろなケースがニュースになっている。
沖縄近海にアザラシ
東京湾にシャチ
房総の砂浜にイルカやクジラが打ちあがる
深海魚のリュウグウノツカイ、ダイオウイカなどが通常の漁網にかかる
北海道で大型のマグロ(マグロは暖かい海で大型化する)
釧路沖でトラフグ、イシガキダイ
サケ漁獲高の減少
沼津市の沖合で深海魚のラブカが定置網にかかる
原因は、いくつか考えられている。
海水温上昇
海流の変化
海底火山の影響
地震
(専門家といわれる人々は、 “特に理由はなく、通常の行動の範囲内”と言うことが多い)
そういえば、渥美半島でも、『最近は、海岸近くの水温が高い時期が長いために、岸壁や砂浜での投げ釣りでは、魚があまり釣れなくなっている』とエサ屋さんでよく耳にする。
『ゆでガエル』にはなりたくない。
人間は、カエルより賢いはずだが。。。。。