2016年07月12日

御用聞き営業は時代遅れ?



インターネットが爆発的に普及する以前は

営業の仕事といえば

お客さんを 丁寧に 頻度高く回り

自社の商品やサービスの利点を

こと細かに説明し 商売に結び付けることが第一あった。



お客さんは 製品や市場の情報の多くを営業担当者から得ていた。

当然 営業担当者には

他のサプライヤーよりも お客さんを多く訪問して

良好な関係を築くことが強く求められた。



ところが インターネット技術とコンテンツが十分に発達してからは

お客さんは

国内外の様々なサプライヤーの情報を

瞬時に入手できるようになっている。



パソコン上で ある程度 サプライヤー間の比較ができるので

営業担当者が訪問する前に かなりの予備知識を持っている。



さらに デフレが進み 原価を抑えるために

一円でも安く購入したいという欲求が前面に出るようになった。



『御社とは長く取り引きしてきたけど

他のサプライヤーが同じ品質のものを低価格で供給すると言っているので

そちらを使うことに決定したよ。

長い付き合いだったけど 悪く思わないでね』

と購買担当者に突然言われるケースが増えてきている。



お客さんの尻を追いかけまわす営業では

なかなか商売を維持できなくなっている。



今は 単なる御用聞き営業では 市場で生き残り 成長するのは不可能な時代である。



そこでよく言われるのは 提案型営業である。



お客さんの少し前を行って

お客さんが抱えている問題を解決したり

本当に欲している商品やサービスを提供することが求められる。



しかし 提案型営業をしようにも限界がある。



有名なスティーブ・ジョブズの言葉に 次のようなものがある。


『ユーザーを調べて

より良い売れる製品をデザインしようとしても難しいものだ。

なぜなら 多くの場合

人は形にして見せてもらうまで

自分は何が欲しいのか分からないものだから』



今いるユーザーをいくら研究しても

その対象の中には 本当に新しい商品やサービスは存在していないということだ。



ユーザー(市場)に寄り添いながらも

ユーザーでさえ気付いていない未来の商品やサービスを

常に模索し 形にして

ユーザーに提案し続けられなければ

近い将来 市場から脱落していくことになるのであろう。



もし あなたが

お客さんの “将来の声” を聞き取れる御用聞き営業であれば

御用聞きも大いに推奨されるところである。



ユーザー訪問の時には

事前の準備をして 問題意識と目的を持って訪問し

同時に 常に 新しい何かを感知するセンサーをオンにしておく必要がある。 



逆行するようであるが

ユーザー数を減らし

一日当たりの訪問件数を減らして

ユーザー一件当たりに費やす時間を十分にとれるようにすることも

有効な営業戦略かもしれない。



ジョブズのもう一つの言葉:


『消費者に

何が欲しいかを聞いて

それを与えるだけではいけない。

なぜなら

それが完成するころには

彼らは新しいものを欲しがるだろうから』






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Posted by KFToyo  at 23:15 │Comments(0)社会経済経営ビジネス

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