2015年05月21日

『三つ子の魂百まで』

『三つ子の魂百まで』は誰でも知っている“ことわざ”の一つです。

幼いころの性格は、年をとっても変わらないということです。

最近は、この意味が拡大解釈されて、『幼いころの“学力・知的能力”は百まで』だとして、3歳頃までの幼児の学力を伸ばし、競争心や向上心を植え付けようとする傾向があります。
更には、生まれる前の胎児の教育まで言い出す始末です。

この傾向は、年々、子供の数が減少している中で、教育産業が危機感を持ち、新しい市場として、就学前の幼児に目を付けたことにも起因していると考えられます。 教育産業をスポンサーとするマスコミ、教育関係者などが連携して、テレビ、新聞、雑誌などで、盛んに、若い両親や祖父母の不安を煽り、幼児の学力向上のための教育に投資する(金を使う)ように誘導しています。

『三つ子の魂百まで』の本来の意味というのは、子供は、三歳位まで育って、やっと、その持って生まれた性格や能力が、外から少しずつ分かるようになるということではないでしょうか。そして、持って生まれた性格や潜在的な能力は、一生を通じて、そんなに変わるものではない。

子供は、受精の瞬間から細胞分裂が始まり、主要な臓器が形成され、性別が決まり、胎盤を通じて母親から栄養を直接与えられなくても生きていけるまで成長してから、生まれてきます。その際に、6000項目もある遺伝子の選択肢の中から性格や気質、体質などに関わる部分を選んでいるそうです。親子や兄弟であっても、もって生まれたものは随分と異なっています。

子供は、生まれてから3歳までは急速に成長しますが、ほぼ24時間の親のサポートがなければ生きてはいけません。 厳密には、18歳から19歳位までは、身体的には(脳の発達も含めて)まだまだ成長期です。

ここで注意しなければならないのは、子供は、大人を小さくしただけの生き物ではないということです。

子供には子供自身が見聞きし、感じる世界があります。 大人の世界とは異質な面が多々あります。 未熟な大人が、未熟な自らの価値観を子供に押し付けることは避けたいものです。

親や学校、社会が、子供に対して、先ず成すべきは、人間社会で生きていく為の基本的なルールや仕組みを実地で徐々に学べる環境を作ってあげることです。

例えば、親が、四六時中、子供を構ってあげられなくても、子供や家族、社会のために一生懸命働いている姿を見せることでも、子供自身が、何か大切なものを感じるきっかけになります。

幼児教育は、英単語を一つでも多く覚えたり、計算を少しでも早くできるように他の子供との競争心を煽ったり、これをしないと将来『負け組』になりますよと、子どもを脅すことではありません。

(気のせいであってほしいのですが)最近、他人から見ると、ごく普通に見える家庭で、親殺し、子殺しが頻発しています。

大人の考え方や社会がおかしくなってきているのではないかと危惧しています。

子供の教育以上に、親や教師などの大人の『心の教育』が必要になっているように思います。

皆さんの親子関係は順調ですか?


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Posted by KFToyo  at 06:47 │Comments(0)社会教育

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