サイエンス・リカバリー

定年までもたない会社の寿命！

会社の寿命は何年か？

日本のバブル崩壊を誰もが認識することになる1990年代の少し前に、『会社の寿命』という書籍が話題になった。　内容は、過去100年間における上位100社のランキングを分析したところ、「会社の寿命は、わずかに30年」というものだった。

(もちろん、江戸時代以前から続いている長寿企業があるにはある。　日本は100年以上続く老舗が、世界で一番多く残っている国だそうだ。)

会社も人が作るものであるし、人生の最盛期が30年程度であることを考え合わせれば、『会社の寿命30年』は、妙に説得力があったことを覚えている。

最近の研究では、会社の寿命は、規模、業種、事業形態、資金力、政治力などによって、かなりバラツキがあるという結果もでている。 大企業で、資金力、政治力があり、社会のインフラに組み込まれているような企業であれば、50年程度はもつところもあるようだ。

もちろん、企業には、倒産しなくても、買収、売却、統合、再編、人員整理、子会社化、社名変更など多くの変遷がある。　「寿命」といっても、その定義が難しい。 中小企業を含めると、研究者によっては、最近の寿命は2年〜3年という人もいる。

一方で、一個人としては、20歳前後で働き始めて、65歳頃までの45年間、生活するための収入を得なければならない。 年金だけでは生活できなことが明らかな現代では、この45年間に、老後の分も積み上げておく必要がある。

しかしながら、寿命が45年以上ある会社は、極めて稀である。 雇用されている人の大半は、人生のうちで何回かは転職か自営独立を経験せざるを得ない。 心の準備と、広い意味での『手に職』をつけている人がどの程度いるのだろうか。　 多くの人は、そんなことを考える余裕がないほどに、日々の生活に追われているのが普通だ。 やはり、我が身に降りかかり、現実味を帯びなければ、実感するのは難しい。　実感しても、適切に対処するのは更に難しいだろう。

あなたの会社、工場、事業、部署、お店、そして地位は、あと何年もちそうですか？？？